リフォーム前に施工リスクをしっかりと説明するというのはプロとして当然のことです。
しかし、激しい価格競争や相見積りの中で、施工リスクを事前に説明せず、着工してから『ここは直さないといけませんね』と言いながら追加工事を請求してくる業者さんが後を絶ちません。
リフォームの場合、どうしても見えないリスクがありますので、完全に追加工事を無くすことは無理だと思いますが、プロであればある程度事前に、施工する際に発生しうるリスクというものが見えてなければならないと思っております。
もちろん、そのようなリスクというものは、追加工事という負担をお客様に強いるモノですから、想定できるリスクは、お客様に前もって伝えておかなければなりません。
これも他の業者さんでリフォームを行った方からこんな相談を受けたことがあります。
「先のリフォームで最新式のキッチンを入れてもらいました。その際に、その業者さんにこの方がおしゃれですよと進められるがままに、キッチンの位置を元々の位置から少し離れた位置に移動して対面キッチンにしたのですが、換気扇からは変な音が聞こえるし、排水からは臭気が上がってくるんです・・・前に施工して頂いた業者さんに相談したら、『施工中に追加工事にはなりますけど、床上げの必要があることは説明しておりますので、排水の件はお客様の自己責任ということになります。ただ、換気扇の音については、どうしてそのような現象が起こるのかわかりません。弊社ではこれまでにそのような事例がございませんので、施工自体は問題がないと思うのですが』といわれてしまい困っております。」
そのような電話をもらい、私はすぐに現場を確認しに行きました。
現場に着いて状況を確認したところ、元々のキッチンの位置を無理に変更したことで、排水の勾配はとれていなかったり、延長された換気ダクトはしっかりと固定されていなかったりというような状態になってました。
お客様に「このようなことが起こりうるということを、事前に説明されなかったのですか?」と聞いたところ、その業者は「うちは技術が高いので簡単にできますよ。」と言われたそうです。
私達からすれば、どんなに職人さんの技術が優れていても、限られた床下のスペースでは、キッチンの位置を変えることで排水の勾配がしっかりととれなくなる、というような物理的にできないことも起こりうるので、事前にリスクを説明しない等プロとして失格だと思ってしまいます。
もちろん、『最初の見積りは安く見せておいて後で追加工事でとればいいや』と考えている業者等は同業者として許せません。
タムケンでは、明日は我が身ということも意識して、このようなことがないように常日頃から、リフォーム前に想定できる施工リスクはしっかりとご説明させていただく努力をしております。
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